想像できるイメージ

(自宅療養者・60代女性)

私は8年ほど前、突然、脳出血で倒れ、何とか命は取りとめましたが、それ以来、 下半身不随です。そりぁ、当初は目の前が真っ暗になったものです。もう生きて いてもしかたないと。
でも、LETS(地域通貨の一つ)に入れてもらったおかげで、それが間違いだ ってわかりました。はじめLETSのことを教えてもらった時は「私にできる事 なんてない。身体が不自由だし、これといった技術もない。結局、人に助けても らうだけになってしまう」と断りましたでも、皆で私にできる事を考えて仕事を 依頼してくれたんです。
はじめに頼まれた仕事はモーニングコールでした。確かにそれくらいなら私にで もできます。会報に載せてくれてから最近ではオーダーも多くなって。次に頼ま れたのが介護のお手本になる事でした。これも「寝たきりの人の気持ちを一番わ かるのは寝たきりの人」っていう言葉を頂いて、引受ける事にしました。私はた だ自分がどうして欲しいか素直に話すだけです。それだけで介護を勉強している 人に感謝されてポイントまでもらえたんです。 その後も近所の若い奥さん達に 美味しいお漬物の作り方を教えたり、ちょっと子供を預かったりと、何だかんだ と仕が入ってくるようになりました。今では「私には何もできない」なんて言っ ていた事が恥ずかしいくらいです。人間にできることって本当にたくさんあるん ですね。
私はなるべく自分の事は自分でするようにしていますが、どうしてもできないこ とは遠慮なくポイントを使って他の人に依頼しています。

あべよしひろ・泉留維 共著 「だれでもわかる地域通貨」(北斗出版)より引用